01. Begin The Beguine
02. A Groovy Kind Of Love
03. Let’s Face The Music And Dance
04. 祈り雪
05. I Wish
06. We’re All Alone
07. Moonlight In Vermont
08. Bluesette
09. When A Child Is Born ~Soleado~
10. Let’s Do It
11. Have Yourself A Merry Little Christmas
12. This Night
約二年ぶりのフル・アルバムが遂にリリースとなりました。
この二年の間、
ミニ・アルバム、シングルCD、ベスト・アルバムのリリース、
そしてたくさんのライブ…
僕らは本当に充実した活動をさせて頂きました。
その中で培った、実に沢山のものが詰まった、
自信作に仕上がったと感じています。
アルバムの収録曲は、
渾身のアレンジが光るスタンダード曲、
極上のアカペラ、
日本語のオリジナル、
そしてクリスマスソングまで、
いつも以上にバラエティに富んでいます。
12曲の味わいは、
それぞれが全く異なるカクテル。
一方でアルバム全体が、
また様々な要素を絶妙にブレンドした一つのカクテルのようです。
皆さんが、季節を問わず、
飽きることなく楽しんで頂けるよう、
願っています。
おかげさまで、昨年末より今日まで、
例年にも増して忙しく過ごしています。
紹介記事の作成に手が回らず、
1ヶ月とちょっとが経過してしまいましたが、
これまでのアルバムたちと同様、改めて記録に残そうと思います。
既にお手にされた方々も、
僕らなりの楽曲解説を片手に、
もう一度、聴いてみて下さいね!
from jammin’ Zeb
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ジャミン・ゼブ『カクテル』POCS-1112
発売元:ZEB
販売元:ユニバーサル ミュージック
¥3,000(税抜価格)+税
2013年12月18日発売
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01. Begin The Beguine
ビギン・ザ・ビギン
lyrics & music : Cole Porter
arrangement : Shun Miyazumi, Shoji Yuasa & jammin’ Zeb
コール・ポーターの名曲の一つ、ビギン・ザ・ビギン。
原曲はタイトルの通り、
「ビギン」というダンス・リズムを基調にしていますが、
僕らはもうちょっと激しく踊りたくなるような、
サンバ色を交えたサウンドにアレンジしました。
『COCKTAIL』のオープニングにはピッタリの曲ではないでしょうか。
前半の各々のソロもそうですが、畳み掛けるような後半のコーラスは、
また一つ、レベル・アップしたジャミン・ゼブを感じて頂けると思います。
歌詞の世界観も、ちょっぴり切ないけど、
決して後ろ向きでない感じが大好きです。
気になる方は是非、CDに入っている和訳も読んでみて下さいね。
(by シモン)
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02. A Groovy Kind Of Love
グルーヴィー・カインド・オブ・ラヴ(恋はごきげん)
lyrics & music : Toni Wine, Carole Bayer Sager
arrangement : Lensei & jammin’ Zeb
One key ingredient for a good a cappella arrangement is a strong melody. The stronger and simpler the melody, the more variations you can have in the harmony parts without losing the essential character of the song. This song has a very strong melody, and that allows us to have fun with it – adding extra melodic parts in the middle and at the end – while keeping it consistent. This song shows off the vocal abilities of each member, but my favourite discovery is Kojiro’s clear and beautiful high voice. It allows us to duet at the end and to take the melody to different registers. You never know how an arrangement will sound until it’s being sung by the singers it’s designed for, and it was really gratifying for this sincere love song to turn out the way I’d hoped it would.
ア・カペラをアレンジする時の大事な要素の一つは、
力強いメロディー・ラインです。
シンプルではっきりしたメロディだと、その曲の本質を保ちながら、
ハーモニー・パートに変化をつけやすいのです。
この曲は強いメロディーを持っていますので、
間奏部やエンディングに違うメロディーを挟み込むなど、
曲の一貫性を保ちながら遊びを加えることが出来ました。
メンバーそれぞれの能力がよく分かる曲ですが、
特に嬉しい発見は、コージローのハイトーン・ヴォイスが、
とてもクリアで美しく響くことでした。
エンディングで僕ら二人がデュエットしていますが、
おかげで、メロディーを違う音域へ持っていき、
双方を引き立たせることに成功しました。
頭の中で、いくら歌う姿を思い浮かべてアレンジしても、
いざ声を出してみないと、実際にどう響くかは分からないものですね。
このまっすぐなラヴ・ソングが、
僕が希望した通りの仕上がりになり、とても喜んでいます。
(by レンセイ / 日本語訳:シモン)
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03. Let’s Face The Music And Dance
レッツ・フェイス・ザ・ミュージック・アンド・ダンス
lyrics & music : Irving Berlin
arrangement : Shun Miyazumi & jammin’ Zeb
2012年、あるコンサートでダンス・チームと共演することになり、
せっかくだから何か新しくアレンジしようと、
ピック・アップしたのがこの曲。
「この先どうなるか分からないけど、音楽の続く限り踊っていよう」
という、ライブにはピッタリの歌詞です。
僕らはオリジナルからテンポを上げて、
これまたキレのある、ラテン・ポップにしてしまいました。
でもこの曲を初めて知る方には、
何の違和感もなく聴いていただけるのではないでしょうか。
「ゴッド・ブレス・アメリカ」や「ホワイト・クリスマス」など、
幾多の名曲を世に送り出してきたアーヴィング・バーリンですが、
今だったら、彼もこんな風にアレンジする、かも?
グイグイ攻めるバンドの皆さんの演奏、
次々に現れるスキャットやコーラスなど、聴き所も満載です。
…おかげで楽譜はものすごい枚数、暗譜するのに苦労しました(笑)。
まぁ、いったん覚えてしまえば、ライブでもノリノリで歌っていますが!
皆で作り上げた熱いサウンドを、とくと御堪能ください。
(by シモン)
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04. 祈り雪
lyrics : MIYAKO
music : Shun Miyazumi
arrangement : Shun Miyazumi & jammin’ Zeb
「祈り雪」の解説、、、
言葉にしてしまうと野暮になってしまいがちですし、
「曲を聴いて下されば分かりますっ!」と遠くへ逃げたいところですが。。
雪のひとひらごとに人びとの想いがのせられて、
空いっぱいに広がってゆきます。
そして心を寄せる相手にも静かに届いていく。
そんな幻想的なイメージは、
アルバムのブックレット写真でも表現されていた世界と
どこか繋がるでしょうか。
“COCKTAIL”を、そして「いまの」ジャミンを象徴する一曲だと思います。
「Christmas Fantasy」コンサートをはじめ、
これまでライヴでは冬限定で披露してきましたが、
本作に収録したことで、
一年中皆さまに楽しんでいただけることになりましたね。
これからも皆さんの心のそばにこの曲がありますように!
(by スティーヴ)
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05. I Wish
アイ・ウィッシュ
lyrics & music : Stevie Wonder
arrangement : Lensei & jammin’ Zeb
スティービー・ワンダーの名曲、邦題は「回想」です。
「楽しかったあの頃に戻れたらなぁ」と少年時代を振り返る内容。
もともと個人的に好きな曲で、聴くと気分が盛り上がります。
ア・カペラでどこまで出来るか不安でしたが、
レンセイ氏の素晴らしいアレンジのおかけで、
スティービーとはまた違った格好良さを生み出せたのではないでしょうか。
曲中に何度も出てくる「ドゥン、ドゥン、ドゥン、ドゥン、」という、
印象的なベースの4ビート・ランニングは、
僕とスティーヴさんが交代で分け合っています。
4人全員がリードをとるジャミン・ゼブならではの共同作業です。
2人のベーシスト(笑)がどこで入れ替わるか、聞き取れますか?
渾身のアレンジにつき、難所もたくさんで、
歌う方にとってはなかなか骨の折れる曲ですが、
皆さんには、そんなことは忘れて、
ノリノリで楽しんで下さると嬉しいです。
(by シモン)
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06. We’re All Alone
ウィー・アー・オール・アローン
lyrics & music : Boz Scaggs
arrangement : Shun Miyazumi & jammin’ Zeb
きっと多くの人が、タイトルは知らなくても一度は耳にしたことのある、
1970年代の名曲です。
オリジナルのボズ・スキャッグスは、
壮大なバラードを甘く切なく歌い上げていますが、
僕達は少し跳ねるような、ダンサブルなビートにリメイクしました。
アップ・テンポになったことで、
メロディーの素晴らしさがより際立つとともに、
新しくポジティブな側面を加えられたのではないかと思います。
そのイメージは、ピアノ・ソロから続く長いスキャットで更に膨らんで、
最後の爽やかな盛り上がりへと突き進みます。
ちょっと切ない、大人の恋愛についての歌詞が、
この僕らのサウンドに反応して、
登場する二人の未来が明るく見えてくる…、
そんな広がりを感じてもらえたら嬉しいです。
ぜひ日本語訳もご覧になって、曲の持つ世界を楽しんでみてください。
(by コージロー)
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07. Moonlight In Vermont
ヴァーモントの月
lyrics : John M. Blackburn
music : Karl Suessdorf
arrangement : Shun Miyazumi & jammin’ Zeb
遊園地を貸し切りにして、大切なひとと心ゆくまで楽しみたい!
という願望があります(唐突でごめんなさい…笑)。
決して一日中ではなく、夜だけでもいいんです。
観覧車から夜景を眺めるのも、
メリーゴーランドで隣り合って乗るのも、
はたまたジェットコースターでこわがるのも素敵。
この上なくロマンティックで贅沢なんだけど、
屈託ない笑顔が常にあって、
それをやさしく月明かりが照らしてくれている、、、
ジャミン・ヴァージョンの「ヴァーモントの月」からは、
そのような「幸せな」雰囲気を感じていただけたら嬉しいですね!
以前STB139でこの曲を紹介する際、
上に書いたようなことを伝えようとして、
いきなり「夜の遊園地」と発言してしまい、
お客さまが完全に「ポカーン」となって、
恥ずかしい思いをしたのも懐かしく(汗)
(by スティーヴ)
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08. Bluesette
ブルーゼット
lyrics : Norman Gimbel
music : Toots Thielemans
arrangement : Shun Miyazumi & jammin’ Zeb
高名なハーモニカ奏者、トゥーツ・シールマンスの代表曲です。
失恋に落ち込み、ブルーになった女の子を励ます、美しいメロディー。
原曲は3拍子のワルツですが、
僕らはボサノバとサンバを組み合わせたような、
新しいリズムにチャレンジしました。
オシャレで聴きやすいだけでなく、聴くと元気づけられる、
力強さのあるアレンジになったと思います。
ゲストで登場する、
西脇辰弥さんのクロマティック・ハーモニカにも注目です。
(by コージロー)
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09. When A Child Is Born ~Soleado~
ホエン・ア・チャイルド・イズ・ボーン
lyrics : Alberto Salerno, Francesco Specchia, Maurizio Seymandi
music : Ciro Dammicco, Zacar, Dario Baldan
arrangement : Lensei & jammin’ Zeb
This was one of those songs I’d heard every so often as a child, but never really got to know. One of the most fun things for me as a singer has been the ability to find those old songs I barely knew but liked as a child and get to know them properly.
“When A Child Is Born” was also one of the first arrangements where I started taking risks with the harmonies. There’s a lot going on, especially in the transitions, and a few sections I wasn’t sure would work. There’s also a slightly dated reference to a pop song that was quite popular at the time I wrote this arrangement – “I Wish For You” by EXILE. Putting those little references into arrangements is half the fun for me. Hopefully it’s not so obvious that it ruins the song for you – still, see if you can find it!
この曲は小さい頃に良く耳にしながらも、
なんの曲だか良く把握していなかったものの一つです。
今、シンガーとして楽しいのは、
そんな、何となく知っていて好きだった曲を、
きちんと知り直すことが出来ることです。
「When A Child Is Born」は、僕がアレンジする上で、
“危険な”ハーモニーを使い出した、最初の一つです。
特に転調する部分などは複雑で、
正直、効果的に響くかどうか分からない個所もありました。
更に、やや時が経ちましたが、当時流行っていたポップ・ソングを
参考にしたパートもあります。
それはEXILEの「I Wish For You」という曲です。
アレンジに少しそんな関連付けをするのも、僕の遊び心です。
(あまりハッキリと分かってしまうと、曲が台無しになってしまいますが。)
どの部分か、探してみて下さい!
(by レンセイ / 日本語訳:シモン)
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10. Let’s Do It
レッツ・ドゥー・イット
lyrics & music : Cole Porter
arrangement : Shun Miyazumi & jammin’ Zeb
「さあ、恋をしよう!!!」
ものすごくシンプルで、享楽的だけれど、
もやもやした時にとても力を与えてくれるフレーズですよね。
(恋するがゆえの心の痛み、というのもありますが…)
ジャミンの歌からは、
全体のくつろいだ雰囲気、
メンバー各々に優しかったり情熱的であったりと個性的なソロ、
ユーモラスなスキャット、
それらの向こう側に、
恋への「一途さ」を感じてもらえるでしょうか、、、
バンドの皆さんの演奏から伝わってくる遊び心も、ほんとうに楽しい!
素晴らしい!
さあ、皆さんも、レッツ・ドゥー・イット!!!
(by スティーヴ)
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11. Have Yourself A Merry Little Christmas
ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス
lyrics & music : Ralph Blane, Hugh Martin
arrangement : Shun Miyazumi & jammin’ Zeb
元々はクリスマス・アルバムとして制作が始まったこのアルバム。
正確な意味で、唯一残ったクリスマス・ソングです。
自分たちで言うのもなんですが、
やはりジャミン・ゼブとクリスマスはよく似合います。
僕らはここで、ジャズ・バラード風のサウンドを用いながら、
ポップスとしても楽しんでもらえるように工夫をしました。
イントロ&エンディングのピアノ・フレーズや、
前半にフィーチャーされる一人一人のリードは、
敢えてシンプルに押さえ、ジャズ的なアプローチを避けました。
そして、萱谷さんの素敵なヴィブラフォン・ソロを経た後半、
「昔からの友達が集まってくる」
という歌詞が始まると同時に、全員が大きくハモります。
まさにジャミンのゴールデン・サウンド。
上手く歌詞に沿った流れでアレンジされています。
このパートに来たときの一体感は、
歌っていてとても気持ちのよい瞬間です。
大作ではありませんが、
ほっこりする、暖かいナンバーに仕上がりました。
(by コージロー)
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12. This Night
ディス・ナイト
lyrics & music : Billy Joel
arrangement : Shun Miyazumi & jammin’ Zeb
I love Billy Joel. I own every single one of his albums – even his collection of classical piano pieces. This song is from “An Innocent Man,” one of his most successful albums. The chorus is also a nice reworking of the Adagio melody from Beethoven’s “Pathetique” sonata. It’s a long arrangement, but one I have a lot of fun singing. I have the chance to tell the full story of the song through the verses, and then each member has the opportunity to shine at the end. This combines two things that I really love about jammin’ Zeb – the emotions we can share with the audience and the moments we can share with each other. May “This Night” last forever!
僕はビリー・ジョエルが大好き。
クラシックピアノ作品も含め、彼のアルバムは全部持っているほどです。
この曲は『イノセント・マン』という、
1983年の大ヒット・アルバムに入っています。
(そういえば、08.のトゥーツ・シールマンスも、
このアルバム中「Leave A Tender Moment Alone」で
チャーミングなハーモニカを聴かせてくれていますね。)
サビの部分は、ベートーベンのピアノ・ソナタ、
「悲愴」のメロディーを上手く引用したものです。
僕らのアレンジは、長いのですが、歌っていてとても楽しめます。
僕のリードで、1番の頭から2番のサビまで、
楽曲全体を紹介させてもらい、
後半はメンバー各々が光り輝き、皆で盛り上がります。
ここには、僕がジャミン・ゼブで活動していく中で、
愛して止まない二つのものが結合されています。
一つは、観客の皆さんと感動を共有出来ること。
そしてもう一つは、
その瞬間をステージ上のメンバー同士でも共有出来るということです。
「この夜」が永遠でありますように!
(by レンセイ / 日本語訳:シモン)
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☆☆ スタッフ・クレジット ☆☆
Produced by Shun Miyazumi
Co-Producer : Shoji Yuasa
Musicians :
Piano & Keyboards : Shun Miyazumi
Bass : Tetsuyuki Kishi
Drums : Hideo Yamaki
Percussion : Ryoichi Kayatani
Sax : Aokki (M03,12)
Organ : Takegorou Kobayashi (M12)
Chromatic Harmonica : Tatsuya Nishiwaki (M08)
Recorded by Takashi Sudoh, Rie Mimoto
Recorded at :
Nihon Kogakuin College, ZERO STUDIO, MISTY Studio
POWER HOUSE STUDIO, sunrise studio Roppongi
Mixed by Takashi Sudoh
Mastered by Mitsuharu Harada
Mastered at GINZA RECORDS
Art Direction & Design : Taketaka Inagaki
Photography : Satomi Asano
Styling : Hirotake Tsutsuura (JUN MEN)
Hair and Makeup : Tomomi Kiguchi (cherire)
Sales Promotion :
Tamotsu Asai, Toru Hirota (UNIVERSAL MUSIC LLC),
Yusuke Miyazumi
Supervisor : Seiji Fueki
Artist Management : SHUN CORPORATION
Special Thanks :
Nihon Kogakuin College, JUN MEN,
Masafumi Nakao, Takeo Mashimo, Tomoyuki Takeoka,
Shigeo Kurimoto, Tetsuo Hoshino
※合わせて、プロデューサー、宮住俊介による楽曲解説もお楽しみ下さい。
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